高学歴底辺ルーボの社会人奮闘記

平凡な理系会社員。。人生経験と映画/旅行/食/写真などの気ままに綴ります

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映画『よこがお』感想・解説~愛情と憎しみが濁流を起こす~

 

どうも。るーぼです。

 

深田晃司監督の最新作『よこがお』を見てきました!

感想を綴っていきます。

 

今回は公開記念舞台挨拶に伺わせて頂きまして、監督や出演者の皆さんのお話も聞けて

大変楽しむことができました。

 

最初に点数

☆3.8/5.0

 

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☆5.0:文句なし

☆4.0:人に進めたい

☆3.0:まあまあおもしろい

☆2.0:2回目は見ない

☆1.0:時間を返してほしい

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参考ですが

私が思う映画の面白さの指標は

「どれだけ自分をその世界に引きずり込んでくれるか」

でありまして、圧倒的没入感を与えてくれる映画が好きです。

 

そのような視点から感想を書いていきますので、映画と没入感の関係・私の好きな映画とは?に関しては、こちらの記事で書いてますので参考までに

 

www.ru-bo.com


f:id:ru-bo:20190729204530j:image

 

  

 

あらすじ

訪問看護師の市子(筒井真理子)は、その献身的な仕事ぶりで周囲から厚く信頼されていた。なかでも訪問先の大石家の長女・基子(市川実日子)とは仲が良く、介護福祉士になるための勉強を見てあげていた。ある日、基子の妹・サキが行方不明になる。一週間後、無事保護されるが、逮捕された犯人は意外な人物だった。この事件との関与を疑われた市子は、ねじまげられた真実と予期せぬ裏切りにより、築き上げた生活のすべてが音を立てて崩れてゆく、、、

 

キャスト

監督:深田晃司

市子 / リサ:筒井真理子
基子:市川実日子
米田和道:池松壮亮
辰男:須藤蓮
サキ:小川未祐
戸塚:吹越満

 

本編感想 ネタバレなし

おもしろかった!けど、ずーん、、、

というのが素直な感想。

簡単にいうと女性の復讐劇のお話です。

 

ずーんとなりながらも

考えさせられるなあというものが

いくつか散りばめられています。

 

特に

・加害者とは?被害者とは?

・メディアの在り方

 

ということを考えさせられました。

 

「私は自分に恥じるようなことはなに一つしていません。」

 

特にこの言葉は印象的でした。

 

詳しくは後述するネタバレあり感想にて綴りますね。

 

映画の流れとしては

現在と過去を交互に描いていって

後半でつながっていくとい感じです。

 

前情報がないと少し困惑しますが

市子の髪の色が現在と過去で違うので

分かりやすいつくりにはなっています。

 

まあ、それにしても

心にズーンとくるものが重いこと重いこと。

 

舞台挨拶で市川さんもおっしゃっていましたが、本作は濁流のように話が進んでいって

それがまた家屋を巻き込んでいく災害のように、良くない方、良くない方に流れていくんです。

 

その展開こそが、観ている私たちを作品にのめり込ませていくのですが、のめり込むほど面白くなっていくと同時に、辛いのでのめり込みたくない感情も高まって何ともいえない感覚に陥ります。

 

あの濁流はどこでどうすれば止めることができたのか。。。

おそらく、ああなっては止めることはできないんですね。

だからあんな濁流は流しちゃいけない。

この映画をみてそう思う人が少しでもいれば

救われるのかもしれません。

 

あと思ったことは

憎しみという感情は

愛情という感情があるがゆえに

増幅してしまう感情なんだなあということ。

 

とりあえず

自分のコンデイションが良いときに見た方が良い映画だと思います!

 

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本編感想 ネタバレあり

 ※ここからネタバレありです。まだ本編を見ていない方は自己責任でお願い致します。

 

 ~~~~~~~~~~~~~~

先述したように復讐映画ですが

それもすっきりしないタイプの復讐ですね

 

市子は何も悪いことはしてませんもんね。

そこがすっきりしない要因の一つですね。

 

基子が市子に対して特別な思いをもっていて、それは友情や尊敬といったものよりももっと深い愛情のような感情を抱いていたと思います。

 

誰にも渡したくないという独占欲に近いでしょうか。

この感情が爆発することによって、濁流となってしまいます。

 

犯人が甥っ子であることを基子だけが知っているという状況がことの始まりです。

 

公園で甥っ子のことを打ち明けようと相談する市子に対して、基子が反対するシーンは非常に不気味でした。逆光で基子の表情が全く読み取れない撮り方でホラー映画ばりでした。

 

市子さんのため、というよりかは

自分から離れてほしくない

自分たちしか知らないことへの優越感

これらの感情から自分のために断固として反対していたと思われます。

 

そして、この愛情・独占欲が市子の結婚を知ったことにより憎しみに変わっていきます。ここの基子の表情は、感情のスイッチが変わったのが分かりましたね。

 

そして、基子のマスコミへのリークにより市子はマスコミに苦悩する日々となってしまいます。

 

ここのマスコミの描写は誇張しすぎではありましたが、監督の描きたい内容が色濃くでてました。

 

マスコミの対応一つで被害者が増えてしまう。マスメディアの怖さを感じざるを得ません。


f:id:ru-bo:20190730201213j:image

 

少し話は変わりますが

京アニの放火の事件でも

被害者の遺族に取材が押し寄せて

Twitterで話題になってきました。

 

それだけこの問題は改善されていないということだと思います。

それを知れて感じれただけでも観る価値あります!

 

あとはとにかく演出が独特で好きな描写が多かったです。

 

最初のたばこのシーンとか、洗車のシーンとか、最後のサイドミラーのシーンとか

 

撮り方が面白く、うまく状況や心情が描写されていて効果的だなあと思いました。

 

うまくまとまらないですが

邦画っぽくて、ずーんとなる映画ですが

人生の中で一回は観た方が良いかなと思う映画でした。

 

総評

☆3.8/5.0

 

まあ、こうゆう映画にしては個人的には高得点。

 

 

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☆5.0:文句なし

☆4.0:人に進めたい

☆3.0:まあまあおもしろい

☆2.0:2回目は見ない

☆1.0:時間を返してほしい

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でわ、また。

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